人の条件

              7

「どうしたんだい? 鷹通。心ここにあらずだね。」
 突然かけられた声に鷹通は驚く。
「友雅殿? どうして?」
 いつのまにか、友雅が部屋にあがっていた。
「ふふ。君を誘いに来たのだよ。そしたら、出て行く泰明を見かけてね。案の定君は茫然自失状態だ。何か言われたのだろう?」
「え…?」
「昨日の晩、家にも泰明が来たよ。」
 友雅はくすくすと笑う。
「え!?」
「私のことを考えると、体が熱くなるのだそうだ。鷹通にしているように、自分にもして欲しいと。焦がれていると言われたよ。」
「えぇ?!!」
 もう鷹通は、驚きの声しか出ない。
「君は? 同じく焦がれていると言われたのだろう?」
「え、ええ…」
「やはりね。」
「何故?」
「私が聞いたからだよ。鷹通に対してはどう思う? とね。泰明は、同じだと答えたよ。」
「な…」
「ちょっと…刺激が強すぎたかな。」
 友雅は考え込む風に指を顎にかける。
「友雅殿! どうなさるおつもりなのですか!」
「どうするもこうするも。泰明が我らに抱く感情は、一時的なものだよ。彼には神子という存在がいるのだからね。今はそっとしておこう。」
「それで…すむのでしょうか…」
「おや、私は泰明に鷹通を取られないかと心配しなくてはならないのかい?」
「それはありませんが…」
 言ってしまってから、鷹通はあわてて口を押さえる。
「嬉しいことを言ってくれるねぇ。」
 友雅が送る視線から鷹通は逃げるように顔をそむける。頬が赤い。
「そうそう。今日は鷹通を誘いにきたと言っただろう?
随心院から、君の好きな花を取り寄せたのだよ。
もう今日は、出仕するには遅い時間だ。私の館へ来て、花を愛でよう。そして…」
 友雅が鷹通の耳に唇を寄せる。
 からかうような声の調子から、低めの、艶を帯びた囁きに変化する。
「石楠花の前で、私と契らないか?」
 耳朶を軽く噛んでから、友雅は唇を離す。
「………………」
 頬を染めてうつむいた鷹通が、小さく頷いた。


                                      了2000.05.27

泰明が2人に惚れてしまうあたりが冗談っぽいでしょ?
実はこれの基本コンセプトは「勃った、勃った、泰明が勃った」です(核爆)
アルプスの少女ハイジ風に読んでね?(ハート)

ネット公開前に手作り同人誌を手に入れた方、超レアですぜ?(笑)
これにおまけSSと、前書きとか後書きとか挿絵をくっつけて、同人誌にするの。
読めればOKって人は買わないほうがいいです。
あ、こちらから押し付ける予定の方が何人かいます。もらってやって下さい。


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