媚態
2
「鷹通…」
もう一度、耳元に息を吹きかけて、左の耳を甘噛みしてみる。左手で、右首筋をなで上げる。ふるふると、鷹通が震える。
「・・っん・・」
小さく声をあげて、いやいやをするように首を振ろうとするが、俺の顔と手が邪魔して動けない。
舌を滑らせて首筋を降りて、残っているキスマークの上を軽く吸ってみる。
「・・あっ…」
先ほどより強い反応に、やっぱりキスマークって、感じる所に残してあるんだなぁと感心する。
跡を追いかけて、胸へと舌を滑らせて行く。
乳首を口に含んで転がしてやると、小さくなって立ちあがった。そのまま押し込むように刺激すると、鷹通の体が跳ねた。
首筋の手も胸に降ろして、もう片方の胸をさすってみる。
「はぁ…あ…」
鷹通の息遣いが、だんだんと浅くなっていく。
こんな所も感じるのか? と、わき腹に残るキスマークを強く吸うと、鷹通は握る指に力をこめて、声を耐えた。
もしかして友雅と関節キス? っていうか兄弟? 嫌だな、それも。
でも、友雅の残した情事の跡は、確実に鷹通のポイントをついているらしく、どこの跡も軽く吸うだけで鷹通は体を強張らせて濡れた声を出す。
色っぽいよなー。
だんだんと俺は調子に乗って、他の場所にも吸い跡を残してみる。
「…ぅあ・」
もう、鷹通の声は掠れていて、それがまた、妙に色っぽい。
鷹通って感じやすいんだろうな。こうまで反応してくれると、攻めがいがあるっていうか。
胸を刺激して、鷹通の腰が浮いた瞬間に、邪魔な紐をほどいて、指貫を一気に下げる。
鷹通のも、しっかり反応していた。
俺は口の端に笑いが浮かんでしまう。なんか嬉しいじゃん、自分が感じさせてるって実感できて。
さて。
俺もしたいけど、いきなりってのは無理なんだろうな。
俺は鷹通の体をうつぶせにして、膝をたてさせて尻を持ち上げた。
位置確認。
指を舐めてから鷹通の中に挿れてみる。きつい。こんなのに俺の入るんだろうか?
あ、でも友雅も挿れてるんだから、平気なのか? いや、友雅の知らないけど。
「は…・ん」
鷹通の背が反り返る。指を締めつける力が強くなる。
へぇ。
指を、鷹通の中をかき混ぜるように動かしてみる。
「や…ぁ…」
びくびくと体が震えている。これは、本気で感じてるな。こんな場所がねぇ。
動きに変化をつけて、指を曲げるように刺激する。
「…んっ…」
鷹通は一瞬息を止めて体を緊張させ、吐息で一瞬緊張を解く。
ああ、このタイミングだ。
俺は、鷹通の呼吸に合わせて指を増やしていった。
最初はきついけど、動かしているうちに馴染むのか、締めつける圧迫感はそのままに鷹通が広がってゆく。
それぞれの指を違う風に動かしてやる。
鷹通の腰が、微妙に動きはじめる。
指の抜き差しにあわせて、追いかけるように、誘い込むように、小さくではあるが動いている。
もう、たまらない。
俺は速攻で服を脱いで、俺を鷹通の中に埋めた。
「あ!」
引きそうになる鷹通の腰を掴んで、俺は突いた。
「…く……ぅ……・」
辛そうな声の中に、微かに艶が潜んでいる。
鷹通の中は熱くて、絡むように絞め付けてきて、凄く気持ちがいい。
生の感触が俺にとっては刺激で。
あ、やば。
血液が集まる。感覚がそこに向かって収束されていく。
気持ちいい。他に考えられなくなる。
俺は堪えることもせず、鷹通の中に放っていた。